慢性耳漏性中耳炎について

鼓室形成術を受けたわけですが、私の場合の病名のところには、「慢性耳漏性中耳炎」と記載されていました。

このサイトをご覧いただいている方は、おおむねこの病名の内容は知っているとは思いますが、私自身でも調べたり、経験したことを元に書きます。

一般的に中耳炎というのは、初めに「急性中耳炎」というもので、風邪をひいたり、耳に水が入ってしまい、なかなか抜けなかったりということから、なります。

要するに、耳の中耳で細菌感染してしまうことからなります。
幼少期に、中耳炎になると、耳の後ろ下が痛くなり、病院に行っていました。

自然に耳だれが出てくる場合もありましたが、痛みが激しくて、耳だれが出ない場合は、病院で、鼓膜を少しだけ切開して、中耳の膿(耳だれ)が出るように処置されていた記憶があります。

この耳だれ(膿)を出すということは、耳の中の細菌を出して、除菌するということです。

そして、この膿を取り除くことができれば、普通は耳だれも止まり乾燥して、切開した鼓膜も自然に塞がって完治という流れだと思います。

私もこのような感じで幼少期に何度か中耳炎になっていましたが、完治していました。

しかし、この耳だれがなかなか止まらない場合があります。
すると、鼓膜を少しだけ切開した部分が少しずつ広がってしまい、後に耳だれが止まり、自然に穴が塞がっていたのが、自力で塞がらない状態になってしまいます。

私が、塞がらなくなってしまった時の中耳炎の状態は、よく覚えていますが、耳だれが数日続き、なかなか止まりませんでした。

耳だれの色もだんだん濃くなり、悪臭もあった記憶があります。
(夏の時期ということもあり、化膿していたのかもしれません。)

そして、やっと耳だれも止まった時には、空いた穴が自身の自然治癒力では塞がらない大きさになっていました。
鼓膜の穴があいている状態は、穴の大きさにもよるとは思いますが、私の場合、それほど聴力が落ちてしまったという感じはありませんでした。

しかし、穿孔(穴があいている状態)だと、外から雑菌が入りやすくなります。

雑菌が入ってしまうと、また中耳炎になります。
そうなると、「急性中耳炎」だったのが、「慢性中耳炎」に・・・。慢性的に中耳炎になるということになります。

この空いてしまった鼓膜の穴は、できるだけ早いうちに(穴が小さいうちに)手術で塞いでもらう方がいいのはもちろんです。

が、中耳炎になっていない時は、多少の聞こえの悪さはあっても、すぐに手術しよう!ということに気持ちがならない場合が多いのではないかと思います。(私がそうでした。)

もう一方の耳が聞こえるので。

また、中耳炎になると、一時的に聞こえが悪くなりますが、私の場合、耳だれはすぐに止まりました。
(すでに鼓膜に穴があいている状態なので、すぐに耳だれがでてきますので、耳の後ろが痛くなったりということもありません。)
いつも、耳だれの量も少量ということが、ほとんどでした。

しかし、すぐに止まるといっても、何度も繰り返していると、耳の内部のほうにも影響がでてもおかしくないです。

私の場合、幸い耳の内部(骨への浸食も無)への影響はありませんでしたが、数年前に空いていた穴が1/3程度だったようですが、手術を受ける(2016年)時には、もう少し大きくなっていたようです。

そのため、あまり気にしていなかった聴力も、少しずつ聞こえが悪くなっていたのだと思います。
(手術直前は、聴力検査で、健常の聴力の5-6割程度の聞こえだったようです。)

難聴による不自由さ
このころは、自身でも人の話が聞き取りにくい不自由さを感じていました。
また、人によって声質が違いますが、聞き取りやすい人と、聞き取りにくい人がはっきりしていました。

自分が聞き取りにくい人は、どうしても、何度も聞き返すのが悪いと思い、その人と話をしたがらないようになってしまいます。
もちろん、嫌いになるというものではなく、話をするのが苦手な人という感じです。

また、よく聞こえていないのに、聞き返すのが嫌で、聞こえているふりをすることが時々ありました。
これは、かなりのストレスになります。

自然と口元をみたり、周りに数名いる場合は、
「周りの人は、普通に聞こえているのだろうか?全然聞こえないんだが。」
「この人の声が小さいのではなく、自分だけが聞こえていないんだろうか?」
など、話の内容より、違うことを考えながら聞いていることが多々あるようになりました。

こうなると、中耳炎になった時だけ、聞こえが悪くなっていたのが、四六時中、聞こえが悪いという状態です。

手術をすることを決めた時、会社の友人にそのことを話すと、
「今、言われてみれば、○○さん(私)、聞き返すことが多かったですよね~。」と言われました。

やっぱり、そうなんだ。

このまま、聞こえは悪いけど、自身をごまかしごまかしやっていくこともできるのかな~という思いを持っていた時もありましたが、やっぱり、手術して聞こえがよくなるようにしなければいけない!という思いが強くなった時でした。

今思えば、「どうせするなら早い時期にすればよかった!」とも思います。

この「慢性耳漏性中耳炎」になって、鼓膜が穿孔してしまった場合、ほおっておいても鼓膜が塞がることがありません。
むしろ、鼓膜の穴が大きくなる場合が多いです。

「慢性耳漏性中耳炎」の場合、症状の重さは人それぞれですが、治療や手術に関しては、よく考えてみる必要があると思います。
(中耳炎になった時、治っても、病院の先生に鼓膜を含めた中の状態をよく聞くようにするほうがいいと思います。)